大自然は、水や食料、空気など、さまざまな恵みを生み出し、与えるだけでなく、養分を循環させ、気候を調節してくれます。また、その美しさと生命力は、私たち人類の心を豊かにし、さまざまなことを教えてくれます。自然が生み出す色、形、音、香り、味、質感は、私たちを喜ばせ、楽しませてくれます。また、産業デザインや芸術作品には動物や植物、自然の風景から着想を得たものが多くありますし、旅行では山や海で楽しい思い出づくりができます。このように、私たちは自然の一部分として、あらゆる恵みを他の生き物たちと共有しています。
自然は喜びや感動を与えてくれると同時に畏怖の対象でもあり、不思議な一面も持っています。私たちは自然を愛し、必要としています。しかし果たして自然に対してきちんと敬意を払えているでしょうか？
自然のバランスは失われつつあります。乱獲や乱開発による生息地の破壊、環境汚染、急激な気候変動により、現在 26,000 種の動植物が絶滅の危機に直面しています。あらゆる生き物は、生態系を通して持ちつ持たれつの関係にあります。もし、ひとつの生息地が破壊されてしまうと多くの生命が破滅の道をたどります。そして、ひとつの種（しゅ）が絶滅してしまうと他の種も後を追うように絶滅にひんしてしまいます。そのとき、私たちの生活はどうなるでしょうか？ 絶滅した動物や植物は記憶や記録の中だけの存在となってしまいます。そして、エネルギーや食糧、生活用水は人類史上最悪の危機に直面し、極めて厳しい生活を迫られるでしょう。
自然はあらゆる生き物に恵みを与えてくれます。しかし、私たち人類は、資源が自然に再生するよりも速く消費してしまっています。果たして、私たちは未来の世代はもちろん、他の動植物たちのために貴重な資源を残すことができるでしょうか？
自然は助けを求めています。バランスを取り戻すには自然に対する配慮と敬意が必要です。自然界と切り離して文明を発展させる知恵が私たち人類にあるなら、自然と共存共栄する知恵もあるはずです。自然を守る取り組みを、できることからはじめてみませんか？ 自然界について学び、自然保護プロジェクトを応援してみましょう。動物や植物、そしてその生息地や自生地を守りましょう。天然資源を賢く使い、持続可能なライフスタイルを実践してみませんか？
豊かな自然を未来に遺（のこ）すために、私たちに不可欠で私たちの愛する自然と共生していきましょう。
-RSD.jpg "環境保護の現状と課題")
